



バターのようにツヤツヤでプルプルな唇——それが2026年を代表する唇メイクのトレンド「バターリップス」です。定義されたリップライナーの時代も、マット仕上げの流行も超えて、新しく、そして万人に似合う唇メイクとして急速に広がっています。
2025年12月から2026年3月にかけて、Google Trendsのデータによると「バターリップス」の検索は280%も急増。TikTokでは関連チュートリアルが890万本以上蓄積され、メイクアップアーティストから一般のメイク好きまで、すべての層が試している最中です。
このガイドでは、唇の下地作りから、3段階のレイヤリング、肌色別のカラー選択、そして自宅で手軽に再現するコツまで、butter lips trend and how to get the look at homeに必要なすべての知識をお届けします。
バターリップスとは。通常のグロスとの違い
バターリップスは「単なるリップグロスを塗った状態」ではありません。同じツヤ感でも、その質感と色合いの入り方が全く異なります。通常のグロスは肌の表面に膜をかぶせるだけですが、バターリップスは、その下にある唇そのものが健康で満たされた状態から成り立っています。
このトレンドを定義する5つのビジュアル要素があります。第一に、グロスの下に、大胆ではなく優しいウォームトーンのベージュ・ピーチ・ハニーカラーが軽く乗っていること。第二に、唇の輪郭がぼかされ、定義されすぎていないナチュラルさ。第三に、照りが高く、反射性があり、光を受けるとキラキラと輝くこと。第四に、厚みがあり、ふっくらした見た目。そして第五に、全体的に「食べたくなるような」温かみです。
このスタイルは、グレーズドドーナツスキンのトレンド、ストロベリーガール風メイク、そして2026年全体を通じた「変身ではなく強化するメイク」という大きなムーブメントと直結しています。肌を完全に覆い隠すのではなく、自分自身を最高の状態で見せる——それが現在のメイクの哲学です。
唇の下地準備が全ての基礎。プルプル質感は準備で決まる
バターリップス特有のプルプルとした質感は、グロス一本では作れません。その下の唇の肌が乾燥していたり、ざらついていたり、凹凸があると、グロスを塗った時点で粉っぽさが目立ち、やすりのような見た目になってしまいます。このトレンドの成功は「いかに唇を整えるか」で決まります。
バターリップスの準備には2段階あります。一つは週2〜3回、就寝前に行う「夜間の基礎作り」。もう一つは、メイクをする直前に行う「当日の3分準備」。どちらも同じくらい大切で、どちらを欠いても完成度が劇的に下がります。
夜間の下地準備——時間をかけた基礎作り
唇の肌は顔の他の部位より厚みが薄く、皮脂腺がありません。つまり、自力で潤いを保つ機能が限定的なのです。週2〜3回の夜間リップマスクは、この弱点を補い、翌日以降の唇の質感を格段に上げます。業界で最も参照されるのは『ラネージュ リップ スリーピング マスク』。グローバルで1,200万個以上売上を記録し、メイクアップアーティストのチュートリアルで常に登場する定番品です。就寝前に厚めに塗り、一晩かけて浸透させることで、唇全体が柔らかく、ふっくらした状態に整います。
当日の準備——メイク前の3分シーケンス




メイク直前の3分間で、現在の唇の状態がどうであれ、劇的に改善できます。まず、シュガースクラブを少量取り、優しくマッサージするように角質を取り除く。その後、温かい水で洗い流し、タオルで軽く押さえるように乾かす。最後に、リップティントやリップバームで素早く保湿する。この流れで、唇の表面がなめらかで、光を反射しやすい状態になります。
3段階のレイヤリング。各段階の役割と選び方
バターリップスの仕上がりは、3つの異なるレイヤーが組み合わさることで完成します。各レイヤーが特定の役割を果たし、全体として統一された「ツヤツヤでプルプル」という質感を作ります。正しい順序と選択のコツを知ることで、商品選びが簡単になり、失敗が減ります。
レイヤー1:カラーベース
カラーベースの役割は、バターリップスに特有のウォームでフレッシュな印象を与えることです。これは、素の唇の色ではなく、血色の良い、健康的な唇に見せる層です。この層は意図的に「シアー感(透明度)」を持たせることがポイント。ティントリップを指の腹で軽く一度だけ押さえたり、シアーなリップスティックを指で薄く伸ばしたりして使います。
2026年のバターリップスで最も選ばれているレイヤー1商品は『シャーロット・ティルベリー ピロートーク リップスティック』(シアーな塗り方)、『NYX バター リップ バルム』(ウォームトーン)、『MAC リップスティック』(ヌーディーベージュ)など。いずれも3,000円前後で、ウォームなベージュ・ピーチ・ハニー系で統一されています。
レイヤー2:グロス
このレイヤーが「バター」の「ツヤツヤ」を作ります。グロスは光を反射する性質を持つため、高い艶感と立体感を生み出します。バターリップスに適したグロスは、クール系や透明なものではなく、ウォームまたはゴールド系の色合いを持つものです。こうすることで、レイヤー1のカラーベースと調和し、統一感のある「フレッシュで温かみのある」唇になります。
グロスの質感は、2000年代初頭の「重くてベタベタ」から進化しています。今は軽くて快適に装着でき、高い艶感を発揮する、新世代のグロス処方が主流です。『クラランス リップ コンフォート オイル』(¥4,200)、『シャネル ルージュ ココ フラッシュ』(¥8,800)、『M・A・C リップグラス』(¥3,400)などが推奨商品。




レイヤー3:オプショナルなトッパー
3層目は「あれば完璧」という位置づけですが、バターリップスの完成度を大きく上げます。クリアなリップオイルか、ペプチド配合のバームを、グロスの上に重ねることで、よりツヤツヤ感が増し、唇が膨らんで見える効果が加わります。『クラランス リップ コンフォート オイル』(¥4,200)、『キールズ リップ フューエル』(¥5,500)、『e.l.f. リップオイル クリスタルクリア』(¥1,200)などが選択肢。単一ドロップを、人差し指の先端に取り、軽くポンポンと中央に置くだけで十分です。
自宅で完成させるステップ・バイ・ステップガイド
ここからは、準備から完成まで、自宅で実践できる全段階のプロセスです。最初から最後まで、8〜12分で完結します。
ステップ1:夜間の土台作り(前夜に実施)
就寝前に『ラネージュ リップ スリーピング マスク』を唇全体に厚めに塗ります。読書をしたり、スマートフォンを見たりしながら、10〜15分かけてゆっくり浸透させます。そのまま寝て、朝起きると唇がしっとりとした状態に。これを週2〜3回繰り返すと、翌週のメイク全体の仕上がりが改善されます。
ステップ2:当日朝の準備(メイク20分前)
朝起きたら、ぬるま湯で顔を洗う際に、唇も軽く洗います。その後、シュガースクラブ(『e.l.f. リップスクラブ シュガー&スパイス』¥1,000など)を小豆粒大取り、唇の中央から外側に向かって、優しくマッサージします。30秒〜1分で十分。温かい水でさっと洗い流し、タオルで軽く押さえるように水分を取ります。乾いた唇になってはいけません。
ステップ3:リップティントでカラーベース(メイク10分前)
まだ少し湿った唇の状態で、リップティント『NYX リップティント』(¥1,000)を、指の腹の中心部分に乗せ、唇中央にポンポンと軽く押さえます。その後、指を使って、中央から外側に向かって、グラデーション状に伸ばします。濃く塗りすぎないことが重要。唇の自然な色が透けて見える程度が、バターリップスの理想的なカラーベースです。
ステップ4:グロスレイヤー(メイク直前)
『クラランス リップ コンフォート オイル』(ウォームトーン)をリップブラシまたは指の先端で取り、唇全体に均等に塗ります。端から端まで、丁寧に。ここが「ツヤツヤ」を作る最重要段階です。グロスの量は、見た目以上に少なくて大丈夫。薄く透明感のある膜が、光を最も美しく反射します。
ステップ5:トッパー(オプション、最後)
『e.l.f. リップオイル』をシングルドロップ取り、唇の中央にポンと乗せます。全体に広げるのではなく、中央だけに置くことで、唇が内側からふっくら見える効果が生まれます。これで完成。この全プロセスは8〜12分で完結します。
肌色別のカラーベース選択。誰の顔でも美しく見える色合い
バターリップスのウォームな色合いは、全肌色で素晴らしく見えます。ただし、各肌色に最適なレイヤー1(カラーベース)のシェードを選ぶことで、違和感のない統一感が生まれ、より洗練された仕上がりになります。
明るい肌(ライト・アンダートーン)
イボリーやピンクベージュのカラーベースを選びます。『シャーロット・ティルベリー ピロートーク』の「ライト」シェードや、『MAC リップスティック』の「アムプリファイド』がぴったり。唇が自分の肌より1トーン濃く、かつ血色よく見える効果を狙います。




中程度の肌(ミディアム・アンダートーン)
ウォームなベージュやライトピーチが最適。『NYX バター リップ バルム』の「スウィーテン」や「バタースコッチ」がこのカテゴリ。肌の色に最も近い、かつ少し濃いシェードを選ぶと、洗練されて見えます。
濃い肌(ディープ・アンダートーン)
暖かいアンバーやゴールドトーンのベージュが映えます。『ボビイ ブラウン クリーム リップ』の「ハニー」シェードや、『MAC リップスティック』の「ラスト』が推奨。濃すぎると唇がくすんで見えるため、明るすぎず、暗すぎないバランスが鍵です。
全肌色に共通する原則は、「レイヤー1のカラーは、肌色より少し濃く、かつ肌に近い色であること」です。そうすることで、全体が「自分の肌の延長線上にある唇」という一体感が出て、メイク感が減り、本来の唇が輝いているように見えます。
他の2026年唇トレンドとの比較。使い分けのコツ
2026年にはバターリップス以外にも複数の唇メイクトレンドが並行して流行しています。各トレンドの違いを理解することで、どのシーンにどのスタイルを選ぶべきか、判断できるようになります。
バターリップスと「ストロベリーガール唇」は、2026年で最も互換性が高く、組み合わせやすい2つのトレンドです。ストロベリーガール風のピーチ・コーラル系チークとウォームな肌ベースは、バターリップスのウォームなカラーベースと自然に調和します。一方、「ディープマット唇」や「赤リップ」は、バターリップスと異なる美学に基づいているため、同じメイクセッション内で両立させるのは難しい傾向があります。
カジュアルなデイリーメイクではバターリップスの軽やかさが活躍し、よりドラマティックな夜のメイクでは、赤系マット唇の方がインパクトを作ります。重要なのは「メイク全体の哲学を統一する」ことです。バターリップスは「自分を強化する」メイク。赤系マット唇は「自分を変身させる」メイク。この2つは同時には成立しません。
バターリップスの持続力と、3〜4時間キープさせるテク
率直に言うと、バターリップスのグロス層は、通常の活動で1.5〜2時間持ちます。食事や飲酒をすれば、45分〜1時間で剥げてしまいます。これは、他のほとんどのリップ製品よりも短いです。しかし、持続力を大きく延長する方法があります。
デート、プレゼンテーション、長い夜のイベントなど、数時間メイク直しができない場合は、特別なレイヤリング戦略を使うことで、3〜4時間まで持たせることができます。その秘訣は「下地の強化」と「レイヤーの厚さの調整」です。
まず、カラーベースをシアーではなく「セミシアー」に塗ります。つまり、リップティントを1回だけではなく、2回、軽く重ねます。これにより、色が落ちにくくなります。その後、グロスを薄く塗り、少し乾かす。その上に、もう一度、非常に薄くグロスを重ねます。「薄く2回」という方法が「厚く1回」よりも持ちが良いのは、均等な膜を作れるから。最後にトッパーを中央だけに乗せます。この方法で、グロスの持続力が3〜4時間に伸びます。
最小限のプロダクト。15ドル以下で完成させる方法
バターリップスのトレンドに今すぐ飛び乗りたいけれど、新しい商品を全部買いたくない——そんなあなたのために、今持っているもので工夫する方法があります。必須なのは「下地準備」と「色」と「ツヤ」。この3要素さえ揃えば、高級ブランド品がなくても、このスタイルは完成します。
最小限のプロダクト予算は15ドル(約¥2,250)以下で実現可能。シュガースクラブは『e.l.f. リップスクラブ』(約¥500)、レイヤー1のカラーベースは『NYX バター リップ バルム』のウォームシェード(約¥1,000)、グロスは『NYX リップグロス』(約¥600)、トッパーは『e.l.f. リップオイル クリスタルクリア』(約¥800)。合計で約¥3,000以下です。この組み合わせで、高級商品と変わらない、プロフェッショナルな完成度が得られます。




さらに最小化したい場合は、レイヤー1をセザンヌの『ティント リップ&チーク』(¥650)に変え、グロスは手持ちのマスカラ用のクリアジェル(グロスの代わりに使える)で代用することも可能。下地準備さえしっかり行えば、バターリップスの本質的な魅力は失われません。
バターリップスと相性の良い顔メイク。統一感のコツ
バターリップスは、2026年の基準では「ステートメント」です。つまり、他の顔メイクが控えめになるべき、という意味ではありません。むしろ、唇が主役なら、その他の顔パーツは「補助役」として、調和的に機能する必要があります。2つの効果的なアプローチがあります。
アプローチ1:ミニマル顔
バターリップスを完全な焦点とし、他の顔パーツはできるだけシンプルに保ちます。スキントーンの軽いファンデーションまたはスキンティント、同じウォーム系のカラーパレットのクリームチークを頬に少量、眉を整えるだけ、アイメイクは軽くマスカラのみ。こうすることで、バターリップスが「顔全体で最も目を引く部分」となり、洗練された見た目になります。
アプローチ2:ウォーム統一顔
バターリップスを「全体のウォームトーン統一」の出発点とし、他の部位も同じウォームファミリーで統一します。まぶたにウォームブロンズシャドウ、頬に深めのピーチまたはコーラル系クリームチーク、チークボーンにゴールドハイライト、眉を濃いめの仕上げに。全体が「ウォーム」という統一テーマで結ばれ、メイク全体が一つの物語として機能します。
ガラス肌ルーティンについての詳細ガイドは、別の記事『つるつるで光透過するような肌を作る方法』で詳しく説明しています。ミニマル顔アプローチと組み合わせると、最も効果的です。
長期的なリップケア。継続でバターリップスがもっと美しくなる
バターリップスの完成度は、単発の努力ではなく、継続的なリップケアで大きく改善されます。唇の肌は約7〜10日のサイクルで新しく生まれ変わります。つまり、週2回の適切な角質除去と保湿をすれば、2週間後には唇全体の質感が劇的に向上しています。
長期的なリップケアの黄金プロトコルは:週2回、優しいシュガースクラブで角質除去;週3〜4回、就寝前にリップマスク『ラネージュ』を厚塗り;毎日、朝は軽いリップバームで保湿。この3要素が、唇をプルプルで健康的な状態に保ちます。
全身の肌バリア健康とシステミック水分補給も、唇の質感に間接的に影響します。ナイアシンアマイドとセラミドを含むスキンケアルーティンは、唇を含むすべての肌を、内側からサポートします。その詳細な構成については『ナイアシンアマイドとセラミドを使ったスキンケアの役割』の記事を参照してください。
バターリップスが長く愛される理由。2026年以降も使える美学
ほとんどの唇トレンドは、6〜18ヶ月で古く感じられ、次のトレンドに置き換わります。しかし、バターリップスは他のトレンドより長く愛される可能性が高いです。その理由は、「単なるトレンド」ではなく、「時代を超えた美学」に基づいているからです。
2026年から先の年月でも、このメイクを支えている原理——優しいウォームトーン、自然な輝き、唇の健康さを表現する——は、時間とともに色褪せません。レッドカーペットのメイクアップアーティストが選ぶシンプルなグロッシーメイクも、同じ原理です。美しさが「本物の健康と自然さを基礎に」置かれている限り、それは流行の波を超えて存在し続けます。
さらに重要なのは、このトレンドを成立させている準備ステップ——角質除去、夜間マスク、バランスの取れた保湿——は、単なる2026年のトリックではなく、良好なリップケアの基本です。バターリップスのブーム後も、これらのプラクティスは、あらゆる唇メイクを支え、唇の健康を守り続けるでしょう。
バターリップスのメイク自体はシンプルです。特別なスキルも、高価なツールも、複雑な手順も必要ありません。必要なのは「準備への時間」と「正しい順序での塗布」、そして「丁寧さ」です。これらは、どのメイクテクニックにも応用できる、根本的な美学的規則です。